PC Watchを見ていたらビデオカードを35枚買った廃人・・・なんて記事が目に留まりました。ビデオカードというのは何かというと、PCの画面を表示する機能の部分の事です。ノートPCなどだとメイン基板上に実装されていたり、最近ではCPUに内包されたりしていますが、デスクトップのPCではその部分だけが取り外し可能な基板になっていてそれだけ交換してアップグレードできる場合もあります。というか、このコンセプトは1983年にIBMが今のPCの元となるPC/XTをリリースしたときからの物です。PC/XTはビデオカードに関わらずI/O(インプット/アウトプット)を拡張カードで実現し、ユーザーが必要に応じて機能を選択したり拡張したりできるようになっていました。PC/XTはその翌年発売されたPC/ATでバス幅が16bitに拡張され、その流れが今日のPCにまで受け継がれています。
さてビデオカードですが、私も相当昔から色々買っています。事のきっかけはWindowsの発売です。それまではCUIといってPCの画面には文字が表示されていました。最近の人は「MS-DOS」などと言ってもピンとこないと思いますが、Windowsのコマンドプロンプトにその名残を残していますが、あれでPCを操作していたわけです。が、Windowsが登場して画面が一気にグラフィカルになりましたが、それと同時に画面描画の負荷も劇的に上がったわけです。どうやって画面に表示するかというとVRAMという画面表示を司るメモリにデータを書き込む事で画面に文字や絵が表示されるのですが、当初はCPUがこれを行っていました。が、8ドットx8ドットや16ドットx16ドットの文字を表示するなら大した事はありませんが、当時標準的なVGAの640ドットx480ドットの画面を一気に書き換えようとするとCPUの作業量は相当なものになります。考えてもみてください。Windowsの窓が上から下に順に描画されてゆくところが見えたりしたら変ですよね?そこで現れたのがグラフィックスアクセラレータです。例えば画面上に直線を引く場合、始点と終点のデータをCPUがグラフィックスアクセラレータに送るだけで、その始点と終点の間のドットをグラフィックスアクセラレータがCPUに代わって描画します。巷に最初に登場したのは今は亡きS3社のS3C911を搭載した製品だと言われています。製品名ではDiamond社のStealthやOrchid社のFahrenheitなどの製品です。私は両方購入しましたが、描画速度でStealthが上回り描画品質ではFahrenheitが上回るという感じだったと記憶していますが、後にカノープスに入社し当時の社長から伺った話では、Stealthはチップやメモリをオーバークロックしていたという事でした。オーバークロックにより性能は向上したがそのツケで画質が悪くなっていたという事のようです。では、そのS3C911も含めどのようなグラフィックスボード(ビデオカード)を購入したか、記憶にある限り列挙してみましょう。
- Diamond Stealth (S3C911)
- Diamond Stealth64 Pro (S3 Vision964)
- Orchid Fahrenheit1280°(S3C911)
- Orchid P9000VLB (Weitek Power9000)
- Orchid Celsius VLB (IIT AGX015)
- ATI Mach32 ISA (ATI Mach32)
- ATI Mach32 VLB (ATI Mach32)
- ATI Rage Fury MAXX (ATI RAGE128 x 2)
- Tseng Lab. ET-4000W32(メーカー/製品名は失念)
- Intel 740 (メーカー/製品名失念)
- S3 Savage3D (メーカー/製品名失念)
- AMD Radeon HD 4550 (メーカー/製品名失念:妻のPCで稼働中)
- アイオーデータ GA-PII8/PCI (3D Labs Permedia 2)
- Number Nine GXE 4M (S3C911)
- Number Nine GXE64 Pro (S3 Vision964)
- Number Nine Motion 771 (S3 Vision968)
- Number Nine Reality 332 (S3 ViRGE)
- Number Nine Imagine 128 (Imagine 128)
- Number Nine Imagine 128 Series 2 (Imagine 128-II)
- Number Nine Revolution 3D (Ticket to Ride)
- Number Nine Revolution IV (Ticket to Ride 4)
- Canopus Total 3D (Rendition Verite 1000)
- Canopus Pure3D (3Dfx Voodoo)
- Canopus Pure3D2 (3Dfx Voodoo2)
- Canopus PWR128P (RIVA 128)
- Canpous Spectra 3200 (RIVA TNT)
- Canopus Spectra 5400PE (RIVA TNT2)
- Matrox MillenniumII (MGA-2164W)
- Matrox Mistique 220 (MGA-1164SG)
- Matrox G200 (MGA-G200)
- Matrox Parhelia (Parhelia-512)
- 玄人志向 GF-GT240-E512HD/D5 (GeForce GT240)
- ZOTAC GeForce GTX460 (GeForce GTX460)
- ZOTAC GeForce GTX560 Ti (GeForce GTX560Ti)
- SAPPHIRE HD 7770 (AMD Radeon HD7770)
- Galaxy GTX670 (GeForce GTX670) <-今これ
上記の他に、PC/AT互換機に移行する前にNECのPC9801用にグラフィックボードを1枚買った記憶がありますが、それが何なのかはもうさっぱり思い出せません。またPC/ATに移行してしばらく経った頃に、GAINWORDとLeadtekの製品を何か買ったような記憶がありますが、これも思い出せません(^^;;