Digital Command Control

 昨年たまたまネット上でファインスケール(1/150)のC56の存在を知って再び火が付いた趣味としての鉄道模型ですが、その際驚いた事が二つありました。一つは既に何度か書きましたが、発売済みの製品だからといっても常に購入できるわけではなく、再生産のタイミングで購入しないと一生買えない事もあり得るという事でした。で、残りの一つが何かといいますと、このDigital Command Control(DCCと略します)です。
 DCCが何かという説明をする前に、一般的に鉄道模型がどうやって動くか説明しておく必要があります。鉄道模型はほとんどの場合電気で動いております。"ほとんど"と書いているのは例外もありまして、たとえば遊園地やイベントなどで子供などを乗せて走る機関車が見る事があると思いますが、そういった物の中には本当に蒸気で走っている物があったりします。また蒸気でなくても自動車のバッテリを積んで走っている物も場合によってはあります。が、多くの(家庭で楽しむような)鉄道模型は線路に電気を流して、車輪を通じて車両に搭載されているモーターに電気が届き、そのモーターが回転して動いています。2本ある線路にプラスとマイナスの電極をつなぎ、可変抵抗(ボリューム)が付いたコントローラで電圧を変化させることで速度を調節します。電圧を0にすれば列車は停止します。またプラスとマイナスの極性を逆転させると、列車は逆方向に進みます。ま、至極単純な仕組みです。この仕組みゆえに、複数の列車を同時に走らせようとすると、線路を電気的に別のブロックにしてやらなければなりません。たとえば複線の線路で2つの列車を別々に動かす場合、複線のそれぞれを電気的に異なるブロックにして、それぞれにコントローラをつないでやる必要があります。これをしないとどういう事になるかというと、2つの列車は同じ方向に同じスピードで進むことになり、個別に停止させたり別方向に走らせたりはできません。また、列車に前照灯や尾灯、室内灯などが搭載されている場合、これらの照明を点ける電気も線路から取るため、列車の速度が遅い(電圧が低い)と灯りが暗く、車速が増すごとに明るくなるという事態が発生します(まぁそうならないようにするコントローラも無い事は無いのですが)。
 ところがDCCは全く異なっています。線路には交流で一定の電圧(Nゲージの場合は13Vくらい)がかかっています。各列車にはデコーダーと呼ばれるコンピュータチップのような物を搭載し、そのチップには個別の番号が割り当てられます。コントローラはデコーダーに対してコマンドを出します。コマンドは線路を通じて列車に搭載されたデコーダーに届きますが、コマンドにはデコーダー番号が付加されているので、該当する番号が割り当てられたデコーダーだけがそのコマンドを受け付けて、車両のモーターを制御します。そのため、線路を電気的に分ける事なく、複数の列車を個別に制御できます。また線路には一定の電圧がかかっているため、車速によって照明が明るくなったり暗くなったりする事もありませんし、コマンドによって照明の点灯・消灯も行えるようになります。さらにDCCではコンピュータを使って制御する事もできます。ダイヤを組んでその通りに列車を自動で制御する事もできたりするわけです。コンピュータも趣味の一つである私には、何とも魅力的なシステムではありませんかっ!という事で、このDCCを使ってみたいという事がNゲージ再開の真の理由だったりします。
 このブログで以前にエントリした151系電車とキハ81系キハ82系気動車はどれも簡単にDCC対応にできる製品でしたので、既にDCC化が完了しています。また、昨日は電気機関車を1両DCC化しましたが、この製品はブログでエントリしていませんので、それの紹介もかねてDCC化作業について書きたいと思います。その前にいくつか客車を入手していますので、まずはそれらの紹介記事を書いてからになるかと思います。なお、DCCについてホビーセンターカトーのホームページで平易に解説されています。私の説明よりもそちらを読まれた方が分かりやすいかも知れません(苦笑)