スマホの暑さ対策

 暑い日々が続いていますね。九州では軒並み38℃超えとなっているようですが、ここ関西でも35℃は当たり前なうえに夜も28℃くらいまでしか気温が下がらず、日が暮れてから歩いていますがそれでも汗だくです。
 さて、ポケモンGOピクミン ブルーム、モンハンNowなどの位置情報ゲームは外に出てプレーするのがデフォルトですので、この暑さはプレーするうえでの最大の障害です。気温が高いだけでなく各ゲームともスマートフォンに対する負荷が大きく、サーマルスロットリングが頻繁に発生してしまいます。動作がカクカクしてしまうのはモンハンNowの大型モンスター討伐シーンのようにリアルタイム性が要求される場面では大きな問題になりますし、画面が暗くなってしまうと日陰に入っても画面を確認するのが困難な状況になってしまいます。従って何等かの方法でスマートフォンを冷却する必要がでてきます。
 以前にこのブログでは常温保冷剤による冷却に関するエントリをいたしました。今も常温保冷剤は使えますが、暑さが増したことやスマートフォンの発熱量が増えた事で利用できる時間がだいぶ短くなってしまいました。ポケモンGOで1時間~1時間半くらい。爆熱アプリのピクミン ブルームだと1時間も持ちません。従って昨年あたりからペルチェ素子を使った冷却デバイスを使っています。
 ペルチェ素子とはどういうものかと言いますと、通電すると片面が発熱し反対側の面が冷却する板状の物です。

 もの自体は昔からあり、私は遠い昔(30年くらい前でしょうか)にIntel 486DX4をオーバークロックする際に冷却用として利用していました。秋葉原や大阪日本橋の電気街のパーツ店で普通に購入できます。なお全くの蛇足ですが、最近の研究ではペルチェ素子に温度差を与える事で発電する事ができるという記事も発表されていて興味深いです。
 ペルチェは最近の猛暑の影響で人を冷やすデバイスとしても使われています。ソニーのREON Pocketが有名ですが、その他中華性の素性の分らない製品がネットでしらべるとうじゃうじゃ出てきますが、冷却にリチウムイオンバッテリーを使うので得体の知れないメーカーの製品は怖くて使う気になれません。
 スマートフォン用の冷却デバイスもいくつも発売されています。私自身も3製品を入手して使っていますので、それらの紹介をしておきます。

1.Black Shark Fun Cooler 2Pro
 Black Sharkはこの手のスマホ冷却デバイスの老舗です。私が使っているのはFun Cooler 2Proですが最新はFun Cooler 4Pro となっていて冷却能力が向上しているようですが、現実的には2Proでも十分すぎるほど冷えます。


 下の画像のようにスマートフォンを挟むクリップ部分が出っ張っていますので(ポケモンGOでボールを投げる時など)画面操作上、ちょっと邪魔になる事があります。専用のアプリが用意されていてBluetoothスマートフォンとFun Coolerが通信し、冷却方式を3段階の中から選んだり、LEDの光り方や消灯の制御ができます。日本語化が変でカッコ悪いので私は言語設定を英語で使っています。個人的にはBlack Sharkの製品を買っておけば冷却は万全かと思っていますが、ファンの音は結構うるさいです。なお、Black Sharkの製品にはMag Safeでスマートフォンに吸着するMag Coolerという製品もありますが、ケースを付けたまま利用するならFun Coolerの方が良いでしょう。というか裸でスマートフォンを利用している人はかなり少ないでしょうけど。なお私はCASEFINITEのポリプロピレン製のケースを利用しています。

2.JS40B
 ペルチェ素子を使った冷却デバイスで最初に購入したのがこの製品です。クラウドファンディングで購入したので市販されているかは分りません。この製品はMag Safeで吸着するだけでなくMag Safe経由で充電しながら冷却もできます。

 アプリなどは用意されておらずLEDも光っぱなしです。またこの製品は9V/3A=27Wで給電できれば15WでMag Safe経由で充電ができる仕様なのですが、iPhoneの場合はMFI認証を取得していないと7.5Wでの充電しかできないため、私のiPhone 13 Proでも7.5Wでの充電となってしまいます。この7.5Wという充電能力ですが、ポケモンGOならプレーしながら冷却もできバッテリー残量も徐々に増えて行きますが、ピクミン ブルームは爆熱のため冷却が追い付かずバッテリー残量も増えないどころか徐々に減って行きます。このため最近はあまり出番がありません。ただ冷却と充電が1本のケーブルで行えるのは魅力的ではあります。Black Sharkだと冷却と充電でそれぞれケーブルを接続しなければならなくなりますので。

3.エアリア ペルチェラジエター
 今年になって購入したのがこの製品です。


 ペルチェ冷却ユニットを2セット搭載して広範囲に冷やす事ができるのと、ペルチェラジエター経由でスマートフォンに給電できるのが売りでBlack Sharkで冷却と充電で2本のケーブルが必要になるという唯一の不満点も解消できます・・・と思ったのですが、ペルチェラジエター経由での充電が全然ダメダメでした。USB計測器で測定したところ5W弱でしか給電できていません。こんな状況ですのでポケモンGOでもずっと画面を表示させていると徐々にバッテリ残量が減って行き、JS40Bよりもアカン感じです。もちろんピクミン ブルームだとバッテリ残量は着実に減って行きます。まぁ充電しない状態よりは多少はマシっていう程度です。さらに冷却能力もBlack Sharkよりも劣っていて、あまり冷えません。ただケーブルの取り回しは楽なので長時間プレーしない時は利用しています。またファンの音もBlack Sharkほどうるさくありませんし、ファンの回転数は3段階変更する事ができます。

 という事で3製品をご紹介しましたが、個人的にはBlack Sharkの製品を買っておけば失敗はしないと思っています。
 なお、ペルチェ素子を使っていない単なるファンは猛暑の中では冷却効果は全くありません。これはスマートフォンだけでなく人間でも同様なのは最近メーカーから発表されています。

 その他、世の中にはゲーミングスマートフォンなるジャンルの製品も存在しています。ネットで調べるとCPUのスペックが高くバッテリ容量の大きい、また画面のリフレッシュレートが高いデバイスなどがゲーミングスマホとして紹介されている例がありますが、スペック的には負荷の高いゲームがプレーできても排熱が追い付かなければサーマルスロットリングが発生してまともにプレーできなくなります。ですので独自の冷却システムを装備したデバイスこそがゲーミングスマートフォンを名乗れると思っています。現実的にはASUSとREDMAGICの製品程度しか真の意味でのゲーミングスマートフォンは今のところ存在していません。

1.ASUS ROG Phone 8
 製品ラインナップとしてはRAM 16GB/ROM 256GB、RAM 16GB/ROM 512GB、RAM 24GB/ROM 1TB の3製品がラインナップされていますが、それ以外のSOC(最新のSnapdragon 8 Gen 3)やヴェイパーチャンバーや窒化ホウ素を使った冷却システムなどは全て同じです。またペルチェ素子を使った専用の冷却デバイス「AeroActive Cooler X」が用意されていて動作のための電力はROG Phone 8本体から供給されます。その他Felicaにも対応するなど普段使いでも問題ありません。なおヤフオクやフリマではRAM 12GBの製品が見受けられますが、日本国内で正規に販売されている製品は16GBか24GBだけです。

2.REDMAGIC 9 Pro /9S Pro
 最新のSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、9S Proではオーバークロックしているようです。この製品も大容量のヴェイパーチャンバーを装備しファンで筐体内の熱を排熱する仕組みを持っています。大容量65,000mAhのバッテリも魅力的です。

 お金がある人は冷却デバイスとかであれこれ悩むよりも、こういったゲーミングスマートフォンを購入してしまった方が幸せになれるかも知れません💦