Resizable BAR

 PCパーツを更新してやってみたかった事がもう一つありました。それが表題のResizable BARを有効にしてみる事です。もっともゲームをしない私ですのでその恩恵にあずかる事はないのですが、こういう新しい機能は一度は試しておきたい性分なものでして。
 私の環境での結果を書く前にResizable BARとは何なのか?という事ですが、これはPCI Express 2.1で正式採用された規格です。BARはバーと読みますが実際はBase Address Registerのabbreviation(省略形)で、PCI Expressのデバイスを内部で管理するためのメモリー空間の中にあり、デバイス(今回の場合はグラフィックボードであるRTX3060)のメモリー領域をホスト(CPU)のメモリー空間にマッピングする際のアドレスを格納している部分の事です。これを有効にすると、CPU側からグラフィックボードのRAMに直接アクセスする事ができ、CPUからグラフィックボードへのデータ転送のレイテンシを削減することができ画面描画のパフォーマンスが向上します。AMDではSAM(Smart Access Memory)と呼んでいますが、AMD独自の機能ではなくPCI Expressの規格として標準化されており、2017年4月からWindows 10でもサポートされ利用可能な環境は整っていましたが、実際に利用可能になるのはその3年以上後の2020年末のAMD SAMの登場時となりました。
 さて、すでに各所でベンチマークが発表されていますが、AMD環境でのNVIDIA RTXシリーズでの効果はゲームアプリにもよりますが微妙な感じの様です。PCI Expressの標準規格なのでIntel環境でも利用可能ですが、NVIDIAのグラフィックボードの場合Intel環境の方が効果は大きいようで、一方AMD環境ではRadeonを使った方が効果は大きいようです。
 さて、私の環境でもこのResizable BARは有効にすることができました。以下はGPU-ZのAdvanced ページです。

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Resizable BAR有効

 リストされている8項目がすべてYesになっている必要はありますが、WindowsUEFIブートになっていれば「CSM disabled」「Boot from GPT」「Windows Running in UEFI Mode」はYesになっているはずですし、現時点で購入できるWindowsは64bit版だけなので、古いPCでなければ「64-Bit Operating System」もYesとなっているでしょう。「Above 4G Decode enable in BIOS」「Resizable BAR enabled in BIOS」はその表記のとおりBIOSで有効にする必要がありますが、これも最近の製品ならBIOS上に項目があり有効にすることができるでしょう。
 さて、上記のスクリーンショットのとおり私の環境でも無事有効にすることができました。が、一方で問題も発生し結局今は無効にしています。その問題ですが、Above 4G DecodeをBIOSで有効にするとTVチューナーのPT3が使えなくなることです。ネットで調べてみると結構既知の問題らしいです。PT3はドライバやソフトの更新も久く止まっておりPT3を使っている限りはResizable BARは有効にはできそうにありません。プレクスの類似製品もNGらしいですが、プレクスにはUSB接続の製品もありそちらはどうなのかなぁ?などとも思っていますが、冒頭で書きました通り私がResizable BARの恩恵を受けることはほとんど無いと思いますので、当面disableにしておきます。