大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

ウルトラマンゼロ!セブンの息子だ!

 昨日、新宿の劇場で観覧してきました。いやー何というか、凄い映画でした。まさに「最初からクライマックス」で息つく暇もないという感じ。以下ネタバレなので、隠します(携帯の人は隠れないみたいです。ごめんなさい)。
 スペースペンドラゴンの乗員以外は地球人は出てこない映画です。冒頭はメビウスベムラーと対決するシーン。光の国に帰還したメビウス。はるか昔、タロウの時に見た光の国とは比べ物にならないまともな都市がCGで描き出されています。その後光の国の周回軌道に位置するベリアルの牢獄が、ザラブ星人が化けた偽ウルトラマンに破られてからは、アクションシーンの連続。間に光の国の成り立ちを含めた回想シーンなどを挟みながらノンストップで展開します。エネルギーコアを失った光の国は氷の星と化し、そのコアでベリアルは怪獣墓場に眠る怪獣や宇宙人を呼び覚まします。かろうじて氷漬けになるのを逃れたウルトラマン、セブン、メビウスは怪獣墓場での決戦に臨みますが、圧倒的に強いベリアル。そしてウルトラマンに力を貸していたレイも暴走してベリアル側に寝返ってしまいます。ウルトラマンダイナやスペースペンドラゴンも駆けつけますが、ベリアルと100体の怪獣軍団には歯が立たず、生命の危機が迫ったセブンが放ったアイスラッガーによって、息子のゼロが呼び寄せられます。ゼロは圧倒的に強くベリアルを寄せ付けません。ベリアルを倒しますが、最後はお決まりの合体巨大怪獣が登場します。しかし正気に戻ったレイが、ギガバトルナイザーを透して合体した個々の怪獣を操り、統制が取れなくなった100体怪獣は倒されます。光の国に平和が戻り、最後は小泉元首相が声優を務めるウルトラマンキングの演説で幕を閉じたかに見えましたが、ベリアルは死んでいなかった・・・という次の映画への伏線を残して終了となります。
 まぁ、こんな感じでウルトラマンと怪獣&宇宙人の戦闘が常に繰り広げられる映画で、お子様は飽きさせない映画であることは間違いありません。光の国での戦闘シーンでは、ウルトラ兄弟以外に過去に見たこともあるウルトラマンが多数登場し、それなりに楽しめます。自分が気づいただけでも、パワード、グレート、マックス、ゼノン、ネオス、セブン21は分かりました。また回想シーンでは胸や肩にスターマークのないゾフィも登場し、細かいところまで拘っているなぁと感じました。ほぼ全編宇宙空間の戦闘なのでワイヤーアクションによる映像は違和感無く、その斬新な動きは新たな息吹をウルトラマンたちに与えたと思います。
 さて、アスカ/ウルトラマンダイナの登場は映画の中でも突然という感じですし、何故現れたかの説明はありませんでした。が、最後に「まだ旅の途中」というアスカの発言があったので、そこから推測すると、ダイナのテレビシリーズ最終回では、闇の崩壊とともに乱れた磁場に引き込まれたダイナは地球に戻ってくることができませんでしたが、その後も次元と超えて旅していて、その旅の途中でナースとゼットン星人に襲われたスペースペンドラゴンに遭遇して助けに入った・・・という事なのではないかと。
 この映画では宇宙空間を移動するウルトラマンたちが、ワームホールのようなものを作って遠隔の宇宙空間に出現するシーンが何度か見られました。初代ウルトラマンでは赤い玉に形を変えて宇宙空間を高速移動するという設定でしたが、宇宙戦艦ヤマト以来、"ワープ"という物が周知されたので、これ自体はあまり違和感がありません。
 氷に閉ざされた光の国での戦闘シーンでは、光を失って変身できないウルトラマン、セブン、メビウス、そしてレイにシャプレー星人が刺客として襲い掛かりますが、このシーンが結構長いんですよ。シャプレー星人という、わりとマイナーな宇宙人にこの役を与えたのはどういう意図なのか少し疑問に。
 怪獣墓場での戦闘では、生き返った怪獣たちは次々に倒されてゆきますが、テレビシリーズではそれなりに倒すのに苦労したはずなのに・・・などと思いつつ、一度死んでるから弱くなってるのかなどと勝手に納得しつつ・・・。ちなみに、このシーンではナインティナイン岡村隆史が扮する「プレッシャー星人」がスクリーン右端にチラっと見えました(^-^;
 ウルトラの母の声を長谷川 理恵が演じていますが、これがアカンですわ。やはりウルトラの母ペギー葉山でなくてわ!小泉元首相も当然ながら上手ではありませんが、一国の首相だっただけはあって言葉に説得力があります。なお、本劇中では、回想シーンでウルトラの母は「マリー」、ウルトラの父は「ケン」と呼ばれていました。ウルトラの父とかウルトラの母とかは、地球人からの呼び名という事なのでしょう。お互いウルトラの父とかウルトラの母とか呼び合っていたら、まどろっこしいですしね。帰ってきたウルトラマンにはいつの間にかジャックという名前が付与されていますが、そうなると、初代ウルトラマンの名前が気になってきます。
 最後に巨大怪獣が登場し、ウルトラ兄弟総攻撃みたいになるのはお決まりなのですが、何か違う見せ方はできないものでしょうか。個人的にはコスモスvsジャスティスは敵が知的生命体だった事もあり、ストーリーとして納得できました(ギガエンドラはやはり巨大でしたけど)。まぁコスモスは全体が勧善懲悪路線とは少し違うので、あのようなストーリーが創れたのでしょう。
 テクターギアを外したウルトラマンゼロ強すぎですわ。歴代ウルトラマンが束になってもかなわなかったベリアルを圧倒するなんて。まぁ、そうしないと映画が終わらなくなってしまうんでしょうけど。しかし、依然気になるのはゼロの出生に関してです。ゼロ自身はレオと特訓をしていた星で、キングとレオに父親がセブンだと知らされるまで、その事実を知らなかったようですので、孤児として育ったのでしょうか。ちなみに、エースも孤児でウルトラの父と母に育てられたという設定もあるようですが。
 新宿東口の新宿武蔵野館という劇場で観覧したのですが、スクリーンは小さいし音響はしょぼいし、かなり残念でした。もっと大きなスクリーンで観たかった。