マイクロエース製4110

 西新宿の「ホビーランドぽち」で12月20日に購入した掘り出し物の話をしておきます。期間限定で現金購入で10%オフでした。購入したのは国鉄4110形です。この機種はアプト式碓氷峠以外では最も急な勾配となる奥羽本線庭坂-米沢間の板谷峠の33‰の勾配区間での使用を目的として1912年にドイツに発注された4100形の後継機種です。4100形は利用区間の線路の最大荷重が13tなのでその範囲で最大の牽引性能を発揮するためデカポッドあるいはテンカップルドなどと呼ばれる0-E-0の軸配列で設計されています。曲線通過性能を上げるため第一、第五動輪は左右方向の揺動を大きくとっており、真ん中の第三動輪はフランジレスとなっています。
 その4100形の後継となる4110形は1914年に30両、1918年に9両の計39両が国内で生産されました。4100形からの改良点としては、動輪径を小さくし火室床面を動輪上に配置する9600形と同じ設計思想で火室面積を広げて出力を大きくしています。9600形では重心が高くなりすぎて高速走行時の安定性に問題がありましたが、タンク機の本機は機体左右の低い位置に水タンクを配置する事で安定性を確保し、最終的には牽引力で9600形を上回りました。製造後の本機は予定通り庭坂での役務に供されたとともに、鹿児島本線(現在の肥薩線)にも投入され人吉-吉松間の峠越えにも使用されました。しかし、人吉-吉松間は1927年に海岸側路線の開通に伴い支線に格下げされて輸送量が激減したため一部が休車や配転になり、最終的に庭坂に統合されましたが徐々に休車や民間に払い下げられるなどして、1948年に後継のE10形が登場した後の1950年に国鉄での運用は終了となりました。なお民間の美唄鉄道に払い下げられた機体は1970年頃まで使用されました。また美唄鉄道向けに同形機が3両製造されており、その機体は1972年の鉄道廃線まで使用され最終的には内1台が同鉄道の東明駅跡に静態保存されています。




 模型の方は9600形と同じくマイクロエース製です。ボイラ位置が高く動輪径が小さいため同社の9600形と同じく大きなモーターの処置がし易かったのか、ほぼ1/150のスケールの模型となっているようです。まぁ実機を見たことが無いので、私にはイメージはありませんが世間的な評価は同社の製品としてはかなり良いようです。外見は非常にきれいですが、後部のナンバープレートの金色が少し剥げてしまっています。先日の9600形もそうでしたので、このメーカーの製品はそういう傾向があるようです。レタッチしたいとは思いつつも、金色のラッカーは綺麗に塗るのが一番難しいので、どうしたものかと。ガンプラは作ったことはありませんが、百式なんて綺麗に塗装できるんかいな?などとも思っております。店頭購入だったので試走させてもらいましたが、やはり動輪だけからの集電では厳しいようで、ちょっとひっかかる事がありしたが、帰ってきて動輪をアルコールで掃除するとかなり良くなりました。前照灯は点灯しますが、例によって前進・後退に関係なく点灯しますし、後ろ側のライトはダミーですので、9600形と同じく将来的には加工してやろうと思っています。