KATO製101系(中央線色)

KATO101系

 通勤電車は買わないつもりでいたのですが、facebookの方で高校の後輩(女性)の鉄道博物館の101系の写真を見てどうにも我慢できなくなってしまい、買ってしまいました。ちなみに今回はANAのマイルをEdyに換えて購入しておりましてお金は一銭も使っておりません(と言い訳してみる)。
 国鉄101系は1957年に投入された国鉄の直流通勤型電車です。その構造は前年に試作された72系の全金属車両をベースとしています。当時大手私鉄は1954年頃から新性能電車を投入して旅客力増強を図ってきましたが、国鉄東海道線の全線電化やそれに続く新幹線計画などの長距離輸送の電車の開発も必要とされており、近距離輸送中心の私鉄とは事情が異なっていました。この101系もコンセプトは新幹線と同じく全車動力車とする事による高速化を目指して開発されました。そのため高出力のモーターや最高速度重視のギヤ比などが採用されましたが、実際には沿線の変電設備の容量不足から全車動力車での運用は行なえず、中央線の10両編成では8M2T(動力車8両、付随車2両)の編成とせざるを得ず、本来の性能を発揮する事はできませんでした。ただ付随車には後から動力を取り付ける事が考慮されていました。また駅間距離の短い山手線では高速側に振られたギヤ比も仇となり、後に101系の改良型として投入された103系では当初から付随車を含んだ運用とギヤ比を低くして加速・減速性能を高める方向に変更されました(一説によると車輪直径も103系の方が小さいという話もあります)。その後モーターの熱容量試験の結果、さらに付随車を増やした6M4Tでの運用が1960年末から開始される事になりましたが、性能的にはギリギリで晩年の冷房化ではこれが原因でつまづく事になってしまいました。全車動力車という高性能を目指しながら、電力設備の容量不足から不遇に終わってしまった101系ですが、それでも1000両を超えて製造され、高度成長期の日本の発展を支えてきた車両である事は間違いなく、また自宅の最寄の豊田駅には電車区があった関係で、このオレンジバーミリオンの車両は私にとっては最も親しみがあるものである事も間違いありません。


 さて模型はKATO製です。KATOからは103系Nゲージ登場当初から発売されていましたが、この101系は2005年にレジェンドコレクションの第1弾として発売された製品の流れをくむ製品です。最新のフライホィール付動力車を使いDCCフレンドリー製品となっています。もちろん40年前の103系とは別次元のディテールです。前面には磁石で[特別快速]のプレートが簡単に取り付ける事ができるようになっています。私が購入した製品は型番10-1170、10-1171という101系800番台を模型化した製品です。800番台は高尾から先の相模湖まで乗り入れるための車両で、小さなトンネル断面に対応するためにパンタグラフ部分が低屋根化されており、模型でもその部分はしっかり再現されています。また全車動力車化のために後からパンタグラフを取り付けるための付随車(サハ)の屋根部分も再現されています。
 ところで、なぜ通勤電車を買わないつもりでいたかというと、懐かしい車両ではありますが、通学や通勤での満員電車の嫌な思い出がある事と、中央線車両を買うと三鷹から先の複々線の再現のためカナリヤ色の総武線車両とか、東京、神田で顔を合わせるウグイス色の山手線やスカイブルーの京浜東北線も欲しくなるという際限のない欲望に発展してしまう可能性があったためです。幸いこの101系はオレンジバーミリオンの中央線色しか製品として存在していない事と、KATOの103系、201系はどちらも古い製品仕様でDCCフレンドリーでは無い事が分かったので、大暴走して買ってしまう事もなかろうという事で、購入に踏み切りました。製品は非常に出来が良く買ってよかったと思っています。昔は一生懸命吊革を作って車内に吊るしたりしたものですが、さすがに今の老眼では厳しいので、もっと軽い加工(シートを青く塗るとか)で楽しもうと思います。