KATO製C50

 先日C56を紹介しましたが、今回はC56と同じ軸配置がモーガル(軸配置は他に2-6-0や1Cといった呼び方もありますが、私はこのアメリカ式の呼び方が好きです)のC50です。C50はローカル線の旅客列車牽引用に8620形を改良する方向で開発され1929年から製造されましたが、8620形から省かれた機能もあり、そのため曲線通過性能の低下や車重が増した事などで、むしろ8620形よりも使いにくくなってしまい、1960年代末あたりまでにほとんどが引退してしまいました。東京の田端や関東の大宮、高崎、宇都宮あたりにも配置され長野県の塩尻機関支区にいたという履歴もあるようですが、年代的に現役で活躍する実機を見ることも無く、また梅小路機関車館にも収容されなかったので、私は実機は見た事は一度もありません。静態保存機も国内に20両以上、さらにタイにも保存機があるC56とは異なり、国内で6体だけです。
 Nゲージとしては、このC50はKATO(当時は関水金属)からNゲージ初の国鉄蒸気機関車として1965年に発売されましたが、その後5年ほどで市場からは消えてしまったようで、私がNゲージの世界に足を踏み入れた時点ではもう市場にありませんでした。KATOからはその後C11、C62、D51蒸気機関車が発売されましたが、このC50はそれらに次いで1981年に再設計されて完全に別物として再登場しました。設計が古いため、先日のC56と違ってこの写真でも大きなモーターがキャブ(運転室)に鎮座しているのが分かると思います。この大きなモーターのため縮尺は約1/140で作られていますし、ヘッドライトも点灯しません。写真のC50はその後1990年代にさらにリニューアルされた商品です。C50は2005年を最後に再生産はされておらず、しかも写真のデフレクター無しの物は10年以上再生産されていません。今回私はヤフオクで入手しましたが、売主さんは一度も動かした事がなかったという事で、動作に少なからず不安がありましたが、低速でもスムーズに動いてくれてホッとしました。この製品もナンバープレートははめ込み式ですが、C56のように押し込むだけで固定されるのではなく少量の接着剤を使う必要があり、接着剤がはみ出さないように貼るのに神経を使いました。さらに、先頭部分の両端の掴み棒が別パーツになっていて、これの装着にはさらに苦労しました。本当に老眼を恨みます(トホホ)。