ここしばらく死に体だったトヨタとBMWザウバーが予選で好結果を出し、J.トゥルーリ/トヨタが2番グリッド、N,ハイドフェルド、R.クビサが3番、5番グリッドを獲得するが、驚くべきはF1参戦2年目でノーポイントのフォースインディアのG.フィジケラがポールポジションを獲得したこと。チャンピオンシップでトップのJ.バトン/ブラウンGPは14位からのスタートです。なお、フジTV解説は「トップスピードは遅いが燃料搭載量の多いJ.トゥルーリが有利」と叫んでいますが、スパではトップスピードが重要で、この時点でトヨタの勝利は無いと思っていました。ジャパンパワーの勝利で番組を盛り上げたいのは分かりますが、解説は真実を述べないとなぁ・・・などと思いながら、フォーメーションラップが開始され、その後スタート!
オープニングラップの1コーナーでは、2番グリッドスタートのJ.トゥルーリがN.ハイドフェルドとR.クビサに行く手を塞がれ、しかもN.ハイドフェルドの後部に追突してフロントウィングを破損してしまいます。また、K.ライコネン/フェラーリは1コーナーで大きくはらむも、KERSの威力か素晴らしい伸び足で一気に2位につけます。その後キャメルストレートエンドで、F1参戦2戦目のR.グロージャン/ルノーがあちこちぶつかって多重クラッシュの引き金となってしまい、L.ハミルトン/マクラーレン、J.アルグエルスアリ/トロ ロッソに加え、何とJ.バトンまでもがリタイアとなり、セーフティーカーが導入されます。この間フロントウィングを破損したJ.トゥルーリはピットインして大きく順位を下げます。
セーフティーカー開けの再スタートで、KERSを搭載したK.ライコネンがキャメルストレートエンドでG.フィジケラを仕留めますが、トップに立ったK.ライコネンはG.フィジケラを突き放すことができず。フェラーリとフォースインディアの互角のレースが展開されます。その後も大きなトラブルは起こらず、レースは展開しますが、S.ベッテルが終盤徐々にポジションアップし3位につけます。また、R.バリチェロもポイント圏内に入ってきますが、もう一人のチャンピオンシップを争うM.ウェバー/レッドブルは、ピットレーンでのN.ハイドフェルドとの交錯でドライブスルーペナルティとなりポイント圏外を走行。G.フィジケラもK.ライコネンと互角のレースを展開しますが、結局そのポジションを脅かすことはできず、K.ライコネンが今季初優勝をフェラーリにもたらします。そして、フォースインディアのマシンでフェラーリと堂々と渡り合ったG.フィジケラが2位に。3位にS.ベッテル。4位、5位に復活のBMWザウバーが入り、R.バリチェロも7位で貴重なポイントを獲得しています。
今回のレースのヒーローは文句なくG.フィジケラでしょう。彼はデビュー当時からその才能を認められながら運からは見放されてきましたが、フォースインディアのマシンでこれだけのパフォーマンスは称賛に値します。久々に素晴らしいレースを楽しめました。
順位 | ドライバー | チーム |
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1 | K.ライコネン | フェラーリ |
2 | G.フィジケラ | フォースインディア |
3 | S.ベッテル | レッドブル |
4 | R.クビサ | BMWサウバー |
5 | N.ハイドフェルド | BMWサウバー |
6 | H.コバライネン | マクラーレン |
7 | R.バリチェロ | ブラウンGP |
8 | N.ロズベルグ | ウィリアムズ |
9 | M.ウェバー | レッドブル |
10 | T.グロック | トヨタ |
11 | A.スーティル | フォースインディア |
12 | S.ブエミ | トロ ロッソ |
13 | 中嶋一貴 | ウィリアムズ |
14 | L.バドエル | フェラーリ |