あれから29年

 毎年この日が来るとあの時の事を思い出します。私の居所も阪神淡路大震災の被災地で、当時の震度基準で震度7でした。周辺の木造家屋はぺちゃんこに壊れ道路には大きな段差や地割れで歩くのも大変な状況。近くの公園にはグラウンド部分にぱっくりと大きな地割れがありました。住居などは再建されていますが、周辺道路にはあの時の影響か微妙な段差が各所に残っています。物理的な災害もですが、あの直後の絶望感は言葉では表せないほどでした。ただ私の場合は住居はそれほど被害はなく、ガス以外のインフラは当日には復旧していたので、阪神間や長田などの最悪な状況に比べればまだかなり幸運な部類でした。
 元旦の能登地震を見てまたあの時の記憶が鮮明によみがえるとともに、被災された方々の気持ちが折れないように祈りました。命を落とされた方々は本当に残念ですが、生き残った方々には物理的にも精神的にも大きな苦難が待ち構えている事が分っていますので。
 東日本大震災の時も思いましたが、こういった大規模自然災害が発生するたびに阪神淡路大震災の教訓が何かの役に立っているのだろうかと疑問に思う事があります。個々人のレベルでは防災グッズの常備などある程度できる事をやっておられる方は少なくないと思いますが、国や地方がうまく対処できているというのが感じられません。日本という国はどこに居ても大規模自然災害に遭遇する可能性があります。もっと災害対策に人も費用も投入して真剣に取り組むべきではないのかと思ってしまいます。