第2戦マレーシアGP

 先週のオーストラリアに続いて連戦でスタートした2012年シーズン。すでに各チームはセパンに乗り込んで、今日はフリープラクティス1回目、2回目が行われています。そのどちらもハミルトンがトップ。しかも2位には0.4秒から0.5秒の差をつけており、一人とびぬけて速いという感じです。でもまぁレッドブルは昨年同様猫かぶってるかも知れないので、予選を見てみないと何とも言えませんが。なお、小林可夢偉はどちらのフリープラクティスも14位。ダントツに速いハミルトンは除いて2位との差は1.2秒、1.4秒差と少し厳しそうです。
 ところで、このマレーシアに来る前にメルセデスのWダクト(受動的Fダクト)がレギュレーション違反ではないかとやり玉に挙がっており、一方メルセデスレッドブルルノーエンジンがコーナーでいくつかの気筒への燃料カットを行っているのでは無いかと応酬しています。両方の仕組みが技術的にどのような物かというと、メルセデスのWダクトは、DRSの操作時にリアウィングの翼端板にあるダクトからエアーをリアウィングに当てて空気抵抗を減らす仕組みです。DRSは予選では使い放題なのでそれなりに効果はあるでしょう。ただ決勝ではDRSはDRS区間でしか、しかも前車を追い越す際にしか使えません。追い越しがし難い予選の結果が重要なサーキットでは意味はありますが、それ以外では価値があるとは言い難い部分もありますし、追い越しがし難いサーキットはそもそも最高速が高くないので、Wダクトの効果は少なくなります。一方レッドブルのテクノロジーですが、コーナリング時にエンジンのいくつかの気筒への燃料供給をカットすることでエンジン出力が落ちるため、スロットルを戻す量が少ないままコーナリングが可能なり、その結果コーナーでの排気ガスの排出量を多くでき、ブロウンディフューザーによるダウンフォースをより多く得られるという物です。が、こちらも今年はエキゾースト周りのレギュレーション変更でブロウンディフーザーの効果は無い事になっているので、建前上これも意味のないテクノロジーとなります。実際FIAはどちらもレギュレーションに合致しているとしています。しかし面白いのは、ステップノーズも採用せず、さらにこういった諸々の趣向も凝らしてもいないマクラーレンが速いってところです。美しいマシンはやはり速かったというところでしょう。
 マレーシアGPは予選・決勝とも日本時間の17:00から。BSでの放送は予選が土曜日23:30から、決勝は日曜日23:00からで去年の地上波とあまり変わらない時刻になっちゃってますね(-_-;)