KATO製EF30

 前回ご紹介したEF63に続いて特殊用途の電気機関車のご紹介です。
 EF30は1961年から1968年にかけて製造された関門海峡専用の機関車です。山陽本線の下関−門司間は開業以来直流で電化されていましたが、1961年に門司港から久留米までの九州側が交流で電化された事から、下関側の関門トンネル入り口をデッドセクションとして電気的に分割する事になりました。このため本州から九州への直通列車の運行のために交直両用電気機関車が必要となり、その任を担うために開発されたのがこのEF30で、世界初の量産交直流電気機関車となりました。また、外観的には塩害対策でステンレス無塗装の銀色のボディを持つのが特徴です。本機は交流区間の1時間定格は450kWで最高速度は時速30kmとなっており、最高速度時速85kmの直流区間とは大きく見劣りする性能でした。これは交流区間の走行が門司港内に限られていたためでした。
 関門海峡を通る全ての列車を牽引した本機ですが、1978年からEF81が徐々にその任に就くようになったため、1984年から1987年にかけて廃車される事となりました。なお、群馬県安中市碓氷峠鉄道文化むらには20号機が静態保存されており、関東地方の人もその姿を見る事ができます。
 私は実際に動いている姿は見た事がありませんが、碓氷峠鉄道文化むらで初めてその姿を見ました。中々美しい外観ですが、前面は武骨で何となく大陸の匂いがします。同じ時期に製造されたED60、ED61と良く似た面構えです。


 模型はKATO製です。シルバーの美しい車体や交直流機特有の屋根上の配線も精密に再現されています。先のEF63と違ってユーザー取付パーツはナンバープレートとメーカー銘板のみ。あの厄介なホイッスルも取付済みでした。DCCデコーダーのDN163K4aを取り付けましたが、今回もボディを削るなどの加工は不要でした。ただ、ボディが外れなくてちょっと焦りましたが。なお実際に走っている姿も見た事がないので本機への思い入れはありませんが、付属のナンバープレートは日立製作所製の物が含まれていたので、その中から11号機のナンバーを装着しました。EF65が牽引してきた20系ブルートレインをバトンタッチで牽引してゆく姿を再現したいと思っています。