別府大分毎日マラソン

 外国人の有力選手が居なかったという事もありますが、早めの28km過ぎに川内がしかけて、それに中本が付いて行く展開でのマッチレースがスタートし、ゴールまでテレビにくぎ付けでトイレにも行きにくい展開となりました。いつものように苦しい表情で何度も仕掛ける川内に対して、ポーカーフェイスで自分のペースでレースを進める中本。私の頭の中には中本が40km手前あたりから抜け出してトップでゴールするイメージがあったのですが、一方解説の宗 茂が「中本君は淡々と走るだけではダメだ」という言葉が引っかかりました。それを具現化したかのように40kmで川内が最後のスパートを実施し中本を引き離します。エネルギーの最後の一滴まで絞り切って走ろうとする精神力と、それを実現する彼のスタミナとスピードには感服します。大会新記録樹立、個人記録を更新しての川内の優勝。中本も個人記録を更新し2位となりましたが、川内の記録も中本が居なければ実現しなかったでしょう。モスクワの世界陸上選考レースは、男子は東京マラソンと琵琶湖マラソンが残っていますが、川内の内定はほぼ確実ではないでしょうか。モスクワでも今回以上の走りでメダルを狙って欲しいものです。