全日本実業団女子駅伝

 第一生命が1区から全区間トップでタスキを繋ぐ完全優勝を達成。強さを見せつけました。優勝候補の一角の天満屋は5区、6区で追い上げて4位に入るも、豊田自動織機は12位に沈みました。注目の小林祐梨子は2区で9位ポジションを押し上げる快走でしたが、他の選手が実力通りの力を発揮できなかったようです。もう一人の注目ランナーの西原加純は3区に登場。3区は三井住友海上/渋井、天満屋/中村、ホクレン/赤羽、ワコール/福士といった豪華メンバーが揃う区間でした。その中で順位を6つ押し上げる走りでしたが、向かい風の中集団をひっぱてきた疲れか、最後のスパートで置いていかれてしまっていたのは残念でした。
 さて、第一生命優勝の立役者は2区を走った高卒ルーキーの横沢永奈と3区を走ったキャプテンの勝又美咲の二人だった事は間違いないでしょう。横沢は3.9kmと短い区間ながら2位に20秒近い差を作り、勝俣は10kmの区間を一人旅ながらペースを守って後続との差を開く堅実な走りを見せました。横沢は今後の活躍が楽しみですし、勝俣は名古屋でのロンドンオリンピックのマラソン選考レースに出場するとの事で、そこでの好走が期待されます。
 第一生命の二人以外の注目選手は、スターツの1区を走ったルーキーの土井友里永でしょうか。尾崎と競って最後に2秒差をつけられましたが、2位でタスキを渡す走り。東京学芸大学卒業という経歴も陸上選手としては異色ですが、歯を食いしばっての走りは気持ちの強さが感じられました。またPanasonicの2位も駅伝らしい結果と言えましょう。特にずば抜けた選手がいるわけはありませんが、出場選手が力を100%出し切れば良い結果につながるという良い例です。そういう意味では震災の影響をもろに受け、チーム6人で6区間を走る事になった地元の日本ケミコンも出場33チーム中16位というのは立派な結果だったと言えるでしょう。