元麻布春男さん逝去

 昨日ニュースを知ってtwitterでは呟いたのですが、PC関係のテクニカルライター元麻布春男さんが亡くなられました。最近ここを訪れてくれていただいている方々にとっては「誰?」という感じだと思いますが、私にとってはとても影響力のあった方でした。現在パーソナルコンピュータと言えばPCかMacという感じですが、昔はそうではなくNEC富士通SHARPなどが独自のアーキテクチャのコンピュータを販売していました。Windowsの登場前はもちろん相互に互換性はなく、例えばNEC用に購入したソフトウェアは他社のコンピュータでは動作しないのが当たり前でした。一方当時海外ではIBM PC/ATベースのコンピュータが全盛で、Macは高価で高嶺の花の存在でした。IBM PCはオープンアーキテクチャで多くのサードパーティーが拡張用のデバイスをリリースしていて、それらを組み合わせて自分の欲しい機能を実現したPCをプラモデルを作るように組み立てる事ができました。いわゆる自作PCと言われる物です。元麻布さんはこのIBM PC/AT互換機の情報を日本に伝える伝道師的な存在で、ASCII誌、特にSUPER ASCII誌を中心に執筆されておられました。元麻布さんとは、私が前職に転職直後に説明員で赴いた、ラスベガスで開催されたCOMDEX Fallで一度お会いしただけで、それ以後お会いする機会はありませんでしたが、元麻布さんの記事は常にチェックしていました。Adaptec EISA SCSI I/FのAHA-2742や、PCでテレビを見るためにHauppauge WinTVを購入したのも元麻布さんの記事の影響だった事は間違いありません。その後面識のあった同じテクニカルライター本田雅一さんから、元麻布さんがASCII誌以外でも執筆するという噂を聞き、活躍の場が広がる事に喜んだのを覚えています。最近はMacも使われるようになって、各雑誌、webでPCのみならずMacも含めて広く執筆活動をされておられたのは、コンピュータ関係の情報を見ておられる方々はご存じだと思います。
 PC Watchの記事によると、虚血性心不全(いわゆる心筋梗塞)で亡くなられたとの事ですので、突然の事だったのでしょう。私がPC/AT互換機を使い始めてから今まで、多くの情報と興味深い記事を提供し続けてくれた事に心から感謝しつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。